最終更新日:2026年9月4日
この記事でわかること
- 過去20年の住宅ローン金利の推移
- 2024年以降、金利が上昇に転じた背景
- 今後の金利動向の見通し
- 金利上昇が「売り手」にとっても見過ごせない理由
過去20年、住宅ローン金利はどう動いてきたか
「金利が上がっている」というニュースを見ても、それが歴史的にどの水準なのかは意外と分かりにくいものです。まずは過去20年の推移を振り返ってみましょう。
| 時期 | 金利水準の目安(フラット35) | 出来事 |
|---|---|---|
| 2005〜2011年頃 | 2%台後半〜3%台 | 制度開始後の高水準期(2007年に約3.10%で最高値) |
| 2016年 | 約1.08%(最低水準) | 日銀がマイナス金利政策を導入 |
| 2016〜2022年頃 | 1%台前半 | 歴史的な低金利が長期間継続 |
| 2022年以降 | 緩やかに上昇 | 金利上昇局面への転換点 |
| 2024年3月 | 政策金利0〜0.1%へ | 日銀がマイナス金利政策を解除(17年ぶりの利上げ) |
| 2026年6月 | 政策金利1%程度へ | 約31年ぶりの水準まで追加利上げ |

こうして並べると、2016〜2022年頃の「1%台前半」という時期が、過去20年で見ても異例に低い水準だったことが分かります。多くの方が住宅購入・住み替えを検討した際に見てきた金利は、実は歴史的に見ても「特に有利な時期」だった可能性が高いのです。
なぜ今、金利は上昇しているのか
2024年3月、日本銀行は約17年ぶりにマイナス金利政策を解除しました。そして2026年6月には、政策金利を約31年ぶりの水準となる1%程度まで引き上げています。背景には、為替の問題や物価上昇と賃上げの流れを受けた金融政策の正常化があります。
長期金利の上昇を受けて、フラット35のような固定金利型の住宅ローンも急ピッチで上昇している状況です。
今後の金利はどうなると予想されるか
主要なシンクタンクの見方では、2026年中に政策金利が1.0%から1.5%程度まで上昇する可能性も指摘されています。ただし、これはあくまで現時点での予測であり、今後の物価動向・世界経済の情勢によって変わりうる点にご留意ください。
過去20年の推移を踏まえると、「低金利が当たり前だった時代」から「金利のある世界」への転換点に、今まさに立っていると捉えるのが実態に近いでしょう。
金利上昇が「買い手」に与える影響
住宅ローン金利が上がると、買い手にとっては次のような影響が生じます。
- 月々の返済額が増える:同じ借入額でも、金利が1%上がるだけで総返済額は数百万円単位で変わることがあります
- 借入可能額(審査上限)が下がる:収入に対する返済負担率の基準は変わらないため、金利が上がるほど「借りられる金額」自体が減ります
- 購入予算を下げざるを得なくなる:結果として、同じ物件を「高いと感じる」買い手が増えます
買い手が減ることは、売り手にとっても他人事ではない
ここが本記事で最もお伝えしたいポイントです。
金利上昇は「買う側」の問題に見えますが、不動産市場は売り手と買い手の両方で成り立っています。買い手の購入予算が下がれば、それはそのまま「その価格で買える人の数」が減ることを意味します。
具体的には、次のような影響が売り手側にも及ぶ可能性があります。
- 購入希望者の絶対数が減る:問い合わせ・内覧の件数が以前より減少する可能性があります
- 価格交渉が厳しくなる:買い手の予算に限りがあるため、「もう少し安くしてほしい」という交渉が増えやすくなります
- 売却までの期間が長引きやすくなる:買い手が見つかりにくくなる分、成約までの時間がかかる傾向が出てきます
つまり、「金利が上がっているから今は関係ない」ではなく、「金利が上がっているからこそ、早めの判断が必要」というのが実態に近い状況です。金利がさらに上昇し、買い手がより慎重になる前に、今の資産価値を把握しておくことには大きな意味があります。
監修者の視点
不動産の現場で20年以上見てきて感じるのは、「金利のニュース」と「自分の売却」を結びつけて考える方が意外と少ないということです。しかし実際には、買い手の住宅ローン審査・返済計画は、成約価格や交渉のしやすさに直結します。
過去20年を振り返れば、今の金利水準はまだ歴史的に極端に高いわけではありません。しかし「上昇局面に入った」という事実そのものが、買い手心理を変え始めています。売却を先延ばしにする理由がないのであれば、買い手の数がまだ十分にいる今のうちに、選択肢を整理しておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 今の金利は過去と比べて高いのですか?
A. 過去20年の推移で見ると、2005〜2011年頃の2%台後半〜3%台と比べれば、現在の水準はまだ低めです。ただし2016〜2022年頃の歴史的な低金利期と比べると、明確に上昇局面に入っています。
Q. 金利が上がると、売却価格も下がりますか?
A. 一概には言えません。ただし買い手の購入予算が下がることで、価格交渉が厳しくなったり、売却までの期間が延びたりする可能性はあります。地域や物件の状況によっても異なります。
Q. 金利が下がるまで売却を待った方がいいですか?
A. 金利がいつ下がるかは誰にも予測できません。待っている間に買い手がさらに減る可能性もあるため、まずは無料査定で現在の資産価値を把握し、判断材料を揃えておくことをおすすめします。
Q. 今後金利はどこまで上がりますか?
A. シンクタンクの見方では2026年中に1.0%〜1.5%程度まで上昇する可能性が指摘されていますが、確定的な予測ではありません。今後の経済情勢により変わる可能性があります。
まとめ
過去20年の住宅ローン金利を振り返ると、2016〜2022年頃の超低金利期がむしろ歴史的に異例だったことが分かります。2024年のマイナス金利解除、2026年6月の追加利上げを経て、今は明確な上昇局面に入っています。
金利上昇は買い手の返済負担を増やし、購入予算を押し下げます。これは「買う側だけの問題」ではなく、買い手の数が減ることで、売り手にとっても価格交渉・売却期間の面で不利になりうるという、見過ごされがちなリスクです。
金利がさらに上昇し、買い手の絶対数が減っていく前に、まずは無料査定で今の資産価値を確認し、選択肢を整理しておくことをおすすめします。
※本記事は2026年7月時点で公表されている情報にもとづく解説と考察です。今後の金利動向を確定的に予測するものではなく、経済情勢により変動する可能性があります。個別の売却判断については、不動産会社への無料査定や専門家への相談をおすすめします。
🖊 この記事の監修者
不動産業界20年以上の実務経験を持つ専門家が監修しています。売買仲介・査定の現場経験にもとづき、埼玉エリアの不動産売却について正確でわかりやすい情報をお届けしています。
記事内の価格帯は一般的な取引事例をもとにした目安です。より詳しい情報は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」や「レインズ・マーケット・インフォメーション」などの公的データもあわせてご確認ください。


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